メソポタミア - 人類最古の文明
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| 人類最古の文明発祥の地、メソポタミア。何となく、畏れ多い気がして、私は、この地を、つい行きそびれてしまった。アフリカの母のような親しみは、感じない。それは、人間の崇高な部分と、排他的、利己的な部分、半ば相反するものが共存する最も人間的なものかも知れない。 |
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| メソポタミア文明と聞けば、くさび形文字と、古代バビロニアのハムラビ法典を思い出す。紙のない時代、石に刻まれた文字は、歴史の証拠を後世に伝える手段として、大きな役割を果たした。一方、ハムラビ法典の
"目には目を、歯には歯を" は、人間の冷酷非情さが、怖いほどに感じられる。社会の中にいる人間としては、ある意味、当然かも知れないが、他に属する者、上下関係にある者に対して過酷極まりないように思えてならない。今のアラブ社会に見る他宗教、他宗派に対する社会観は、ここに起因しているのではなかろうか。そんな風に思えてならない。 |
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| メソポタミアは、チグリス川とユーフラテス川に挟まれた地帯、今のイラクをいう。当時は、肥沃で穀物も多く取れたに違いない。当時、この地で文明を築いたシュメール人は、月の満ち欠けで月日を知ることができる太陰暦を発明した。また、古都バイロン(現在のイラクの首都バグダッド南100Km)には、有名な遺跡が2つある。バベルの塔(Tower
of Babel)と空中庭園 (Hanging Gardens of Babylon)である。共に、原形は現存しないが、遺跡公園として跡が残っている。 |
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ピーテル・ブリューゲル作 "バベルの塔" |
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マルテン・ヒームスケルク作 "空中庭園" |
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| バベルの塔は、旧約聖書にも出て来て、神話的要素がある。新バビロニアの王ネブカドネザル2世が紀元前6世紀に造った神殿で、16世紀の画家ピーテル・ブリューゲルの描いたバベルの塔は、有名。一方、空中庭園は、隣国から嫁いだ愛妻アミティスの為に、ネブカドネザル2世が、彼女の郷愁を慰めようと、彼女が生まれ育った故郷の山に似せて造った階段状のテラス。ロマンティックで伝説めいて、興味をそそる話ではないか。16世紀のオランダ人画家マルテン・ヒームスケルクがこれを描いている。 |
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| いつも不思議に思うのが、聖地的要素が強い地域が、どうして宗教を超え、宗派を超え、融合共存の道を歩んで来れなかったか。ユダヤ教、キリスト教、イスラム教と派生して、各々が唯一の神を信じて譲らず、他を異教徒として排除する。幾十世紀に渡り、歴史を繰り返している。人間は、文明を起こす英知を有するが、自滅する愚直な部分も有する。また、神は、どうしてこの地に石油という"喧嘩の種"を蒔いたか。それは、旧約聖書にあるように、天に昇ろうとバベルの塔を建てた人々を見て、懲らしめる為に、人々の言葉を乱し、人々が通じ合えないようにした、神様の"いたずら心"からだろうか。 |
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| その旧約聖書も、約5千年以上も前、メソポタミアのシュメール人が残した"ギルガメシュ叙事詩"の中から転用とも思える程、酷似した内容を含んでいる。ノアの箱舟、大洪水、エデンの園は、そうである。また、ギルガメッシュ叙事詩の話にこんなのもある。メソポタミアに、森がないと嘆くギルガメッシュが、レバノン杉の森を奪いに行く。そして、森の神と争い、森を奪うことに成功するが、祟り(たたり)に会うというもの。宮崎駿作品の"もののけ姫"に共通するものがある。人間の築いた文明も、行き過ぎると自然破壊を起こし、末は人間に災難を起こすというメッセージ。5千年の時代を超えても、人類のテーマは共通なのであろうか。 |